ターゲティング戦略は、誰に商品・サービスを売るかを決める、情報発信ビジネス中でも最も重要なものです。
ターゲティングを曖昧なままにしてビジネスをスタートすると、思うように売上が上がらない事態になり、後になって大きな軌道修正を強いられます。
せっかく苦労してビジネスの準備をしたのに、「ターゲティング戦略の練り直しで全てやり直し」なんてことにならないために、しっかりとターゲティングを決めるようにしましょう。
ターゲティングとは何か
ターゲティング(Targeting)は、セグメンテーション(Segmentation)に続くマーケティング戦略の基本フレームで、後に続くポジショニング(Positioning)と共にSTP戦略(マーケティング)の1つを構成しています。
セグメンテーションは商品・サービスに対するニーズを、以下の4つで分類していきます。
セグメンテーション
地理的変数
都市や地域の規模や経済発展の状況、人口、その土地ならでは文化や風習などでの分類
人口統計変数
性別や年齢、職業、収入、家族構成などで分類
社会心理学的変数
趣向や世界観・価値観、考え方などの要素で分類
行動変数
ターゲットがいつ・どんなタイミングで商品・サービスに接する、購入するかで分類
自分の商品・サービスを販売して売上に繋がりそうな、いくつかのセグメントに分類できたら、既存のライバルと渡り合えるセグメントを決めることを、ターゲティングと言います。
「女性向け」、「ラーメンが好きな男性」「吉祥寺駅を利用している人」のような、ある意味ざっくりしたセグメント分けでは、ターゲティングを決めることはそもそもできません。
ターゲティングの前に必ず、商品・サービスのニーズに応じたセグメンテーションをするようにしましょう。
ターゲット顧客層を決めるためのセグメンテーションの方法
情報発信ビジネスを始める場合、「ターゲットを決めて、そこに向けた商品・サービスを作ればそれで良い」というざっくりした認識は危険です。 一口に「ターゲット(顧客層)決める」と言っても、マーケティング的に ...
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ターゲティングの方法
セグメンテーションが終わったら、どの市場を狙うかを定めていきます。
ターゲティングを検討する上での6つのポイント
市場の規模
余程のニッチ商品・サービスでない限り、ある程度の市場規模がなければ、ビジネスとして成立しません。
市場の成長性
少子高齢化の傾向で、シニア向けはしばらく順調です方が、子ども向けのように今後の先細りのなるなどを、市場の成長性を確認します。
ライバルの状況
自分の考える商品・サービスの詳細や価格と、ライバルのものを比較検討したり、販売状況を見るなどして、ライバルの状況を確認します。
参入障壁の有無
許認可・資格が必要かどうか、経験や高度なスキルが必要かどうか、多額の資金が必要でないかなどを確認します。
自社の強みが活かせるか
ライバルにはない付加価値、先行する技術などがないかを確認します。
ターゲットに到達できるか
ターゲットになるお客様に営業やマーケティングで、到達(アプローチ)可能かどうかを確認します。
続いて、事例を挙げてながら、ターゲティングの事例を紹介します。
ターゲティングの事例
子ども向けプログラミング教室を運営するビジネスをする場合、セグメンテーションとして対象は小学校3年〜6年生、対象エリアは吉祥寺駅の半径4km圏内と設定したとします。
市場の規模
対象エリアの吉祥寺駅の半径4km圏内の人口が15万人、対象となる子どもの数が1,500人である場合、規模としては十分。
市場の成長性
少子高齢化で、対象となる子どもの数は今後減少傾向ではあるが、小さな子どもを持つファミリー層の人口流入が対象エリアで見込める。さらにプログラミング教育が、2020年小学校必修化するので、追い風である。
ライバルの状況
近隣では荻窪駅、武蔵小金井駅に子ども向けプログラミング教室があるが、商圏が重ならないので問題なし。教室の価格設定も同等であり問題なし。
参入障壁の有無
許認可・資格は不要。教室の場所を借りる資金も十分に用意できるので問題なし。
自社の強みが活かせるか
SEとして10年の経験、ボランティアで子どもにプログラミングを教えてきた経験がある。
ターゲットに到達できるか
開設済みのブログ、フリーペーパー、ポスティング、学習塾とのコラボレーションで可能である。
まとめ
セグメンテーション、ターゲティングで、顧客の絞り込みと集客に向けた大枠を決めることができます。
ただ、これだけでは成功するライバルに打ち勝つためには不十分ですので、ライバルに対する優位性を打ち出すポジショニングを決める必要があります。