ビジネスで起業できれば、経済的・時間的・精神的自由を手に入れることができます。
が、その実現のためには売るための商品・サービスの構築、ブログ・メルマガでの集客基盤の構築など、情報発信ビジネスの準備が必要になります。
その準備の中でも、非常に重要なものがUSP構築です。
USPとは何か?
USPとは、『Unique-Selling-Proposition』の略語のことで、起業家自身の、商品・サービスの『独自の売り文句』のことです。
「私はこういうことができますよ」
「この商品はこのようなことを実現できますよ」
というお客様に対する「自己アピール」のようなものかと、勘違いされる方がたまにいるのですが、正確には「自己アピール」+「お客様への提案」なのです。
数あるUSPの中で、マーケティングの教科書にも出てくる、最強のUSPがドミノ・ピザのものです。
USPのお手本
英語を日本語に訳すと、
です。
一度はこのUSPを、見聞きしたことがある場合があるかもしれませんね。
USPの型にはめると、
「間に合わなければ代金は頂きません」
■Selling(売り)
「アツアツのピザ」
■Proposition(提案)
「30分以内でお届けします」
このようになります。
ピザ屋さんで起業しようと思う場合、何にこだわって、何で競合他社と差別化するかを考えないと、開店して1年も経たないうちに閉店に追い込まれるかもしれません。
真っ先に思いつくのが、
・「他店に負けないように、味にこだわるぞ」
・「他店より3割安い値段で勝負するぞ」
・「値段は他店と同じだが、ボリュームは3割増しにしよう」
など、質や量にフォーカスした「売り」を考えることでしょう。
ドミノ・ピザの場合は、どこにフォーカスしたかと言えば、
・「アツアツのピザ」
・「注文から30分以内に届ける」
この2つにフォーカスしました。
「売り」としてはいい線いっているのですが、何かパンチの効いた、他店にはないものが必要だと考えて、
「(30分以内にピザが)間に合わなければ代金は頂きません」
という強力な「独自」の「売り」を作り上げたのです。
つまり、USPはただ「売り」を並べれば良いのではなく、ライバルが真似出来ない「独自」の要素を入れなければならないのです。
そして「独自」の要素は、「お客様のベネフィット(利益)」になるものである必要があります。
「ピザが遅れて届けば、代金が無料になる」これはお客様にとって悪い話ではなく、むしろ良い話ですからね。
USPとキャッチコピーの違い
USPと似ているものに、キャッチコピーというものがあります。
キャッチコピーは、商品・サービスの「売り」を表現したもので、印象に残るキャッチーなものです。
印象に残るキャッチコピーですが、USPではありません。
それはどれも、「お客様のベネフィット(利益)」になるものが書かれていないのです。
もし
「100人乗っても大丈夫 イナバ物置」
をUSPにするなら、
「30年間無料修理付き、100人乗っても大丈夫 イナバ物置。」
このように「お客様のベネフィット(利益)」になる要素を入れるとOKです。
USPが起業家に必要な理由
USPのことは理解できたけど、
「個人起業だし、商品は販売しないので、USPは不要では?」
このように思われるのであれば、待ってください!!!!!
USPは商品・サービス、企業以外にも、個人起業家にも必要不可欠なものです!
そもそも、大手企業がUSPを必要とするのは、一刻も早く商品・サービスを認知してほしいからです。
そのために、インパクのあるUSPを打ち出して、注目を集めようとします。
このプロセス、、、無名に等しい個人が起業して、個人・商品・サービスを市場に認知してもらおうとするのと、、、同じではないでしょうか?
先行するライバルに負けない「独自」の「売り」を打ち出して、見込み客の注目を集めて、商品・サービスを買ってもらう、、、これこそが個人起業をする人がやることなのです。
たまに、
「いやいや、私は名前も顔も出さず、目立たずにビジネスをしたいので、USPは不要です」
という人がいますが、USPを打ち出すことでの「目立つ」「注目を集める」とは、顔や実名を出す・出さないと関係はありません
顔出し実名出しNGでビジネスをするなら、それで良いのですが、USPは必要です。
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完璧なUSPを作る方法
USPに必要な要素は、
■Unique(独自)
■Selling(売り)
■Proposition(提案)
この3つの要素ですから、自分のビジネスの中から該当するものを探し出す必要があります。
理想のお客様像であるペルソナ設定をする
商品・サービスを購入するのは、当然ですがお客様です。
大手企業のUSPも、明確なターゲットが決まっていて、そこに向けたUSPを用意します。
起業家も同じように、明確なターゲットを決めて、そこに向けたUSPを用意する必要があります。
USPを作る上での明確なターゲットとして使えるのが、「理想のお客様像」を定義したペルソナ設定です。
ペルソナ設定は、「30代の女性」のような曖昧なターゲット層ではなく、「32歳 東京都新宿区、高田馬場駅から徒歩10分のメゾン・ド・ババの203号室に住んでいる、馬場花子さん」のように個人ターゲットを設定することです。
ペルソナ設定をしたターゲットが、「思わず注目する」「買いたくなる」ような、心に響く「独自」の「売り」を設定します。
ペルソナ設定をしていない場合は、USPを作る前にペルソナ設定をしておきましょう。
ペルソナ設定で理想のお客様像を明確化する方法
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自分のビジネスの強みを書き出す
商品・サービスのライバルに対する強みとは何か、そして自分自身のライバルに対する強みは何かを、考えて書き出していきます。
ただ
「ライバルに対する強み?ビジネスを始めようとしている、経験なしの私に強みなんてありません。」
このように考えてしまう人もいらっしゃるかもしれません。
「強み」とは、ビジネスの経験やスキルではありますが、ビジネス準備段階では「人柄」や「やる気」のようなものでも構いません。
例えば、「元気では誰にも負けません!」このようなものでもOKです。
作ったUSPをテストする
USPは、ただ書き並べれば良いというものではありません。
キーワード、フレーズなど、ペルソナが響く並び順がありますので、何パターンも作ってみて、どれが一番良いのかを決める必要があります。
さらに、自分では完璧だと思ったUSPでも他の人が見ると、「何が言いたいのか分からない」「抽象的でふわっとしている」「フレーズの詰め込みすぎじゃない?」など、かなりストレートに批評されることがあるかもしれません。
USP自体は世に出ていないのですから、批評はむしろ良いフィードバックです。
できるだけ、いろいろな人に見てもらい、どのような反応をするのかをテストしましょう。
まとめ
情報発信ビジネスにおいて、売上を上げるためには、同じような商品・サービスを展開する、先行するライバルとの違いを明確にして、違う場所で勝負することが必要です。
商品・サービスで違いが打ち出しにくいのであれば、起業家自身の強みを打ち出して、違いを明確化させるしかありません。
USPは商品・サービスにも、商品・サービスを提供する起業家自身にも設定することができますので、ぜひビジネス準備段階で、他にはない斬新なUSPを構築するようにしましょう。