成果を出しているセールスマンの多くが、多かれ少なかれ心理学を学び、実践していると言われるほど、セールスと心理学には深い関連があります。
心理学の中でも、特に人間の行動に関連する行動心理学は、セールスを極めるためには必要不可欠な知識とされていて、対面でのセールスだけではなく、セールスレターのようなWEBマーケティングでも活用することができます。
そこで今回は、お客様の購入意欲を自然に掻き立てる、行動心理学に基づいたセールステクニックをお伝えします。
「スノップ効果」で限定感を出す
スノップ効果は、希少性や限定性に対して反応する人間の心理を利用したセールスのテクニックです。
・「今月末までの期間限定セール」
・「限定4個、早いもの勝ち」
・「次回入荷は未定、残りはあと2個」
このような誰もが見聞きしたことがあるフレーズは、スノップ効果を利用したものなのです。
希少性や限定性を打ち出すことは、購入を迷っている顧客の心を刺激する効果がありますが、1つだけ注意が必要です。
あまりに「限定」「これで最後」などのフレーズを乱発し過ぎると、見込み客が嘘くさく感じることがありますので、「ここぞ」という時に出すのがベストです。
Noと言いづらくなる「一貫性の原理」
一貫性の原理は、自分のこれまでしてきた行動を、覆しにくくなる心理のことです。
例えば、顧客との会話の中で「Yes」と答える質問を織り交ぜていくと、「No」と言いづらくなるというものです。
「ミニバンがあれば、いろいろなところに行けますよね」
「そうですね」
「ミニバンがあれば、夏は海、冬はスキーに行けますよね。」
「はい」
「ミニバンがあれば、お子さんとのコミュニケーションも上手くいきそうですよね」
「そうなりますね」
「そうなると、奥様の機嫌も良くなりそうですね」
「そうかなー」
「ミニバンがあると、ライフスタイルがエンジョイできて、家族も仲良くなれる、本当に良いと思います」
「ほんと、そうですね」
「そろそろ、新しいミニバンにお乗り換えなんて、いかがですか?」
「そうだな、そろそろ買い替えても良いかなー」
普通の世間話をするような感覚で、購入へ顧客のベクトルを一貫性の法則を使うことで向けることができます。
購入しないと損する危機感を煽る「フレーミング効果」
フレーミング効果は、同じことを違う視点で言い換えることで、まったく違うようなイメージに変えることができるテクニックです。
例えば
・「タイ人の80%は日本が好きです」
・「タイ人の中で日本が嫌いな人は、わずか2割に過ぎません」
この2つは同じことを言っていますが、人によっては印象が違ってみます。
さらに
・「3個セットで購入すると、店頭価格から33%OFFします」
・「3個セットで購入すると1個は無料でプレゼント」
こちらも2つとも同じことを言っているのですが、印象が違って見えます。
商品の実績や価格などの見せ方を変えてあげると、顧客の反応が変わってきますので、どれが一番良いのかをリサーチしてみると良いでしょう。
言い方を変えてお得に見せる「シャルパンティエ効果」
シャルパンティエ効果は、数字などの値の見せ方を変えて、違いがあるように強調するテクニックです。
・「ビタミンCが1000mg入ったのドリンク」
・「ビタミンCが1g入ったドリンク」
などの単位が異なることに着目した例が有名ですが、
・「90%の人が効果が有りと言いました」
・「9割の人が効果有りと良いました」
こちらも同じになります。
数字を大きくすると、より強調して良く見えます。
有名人を使って安心感を演出できる社会的証明の原理
社会的証明の原理とは、大勢の人の行動に自分の行動が左右されてしまう心理を使ったテクニックです。
例えば
・「芸能人の□□□□さんも1ヶ月で15キロ痩せに成功!」
のように、社会的に影響力のある人の言っていることを、「これは間違い」と信じて購入してしまうようねケースがあります。
ただ社会的証明の原理は、ときにパニックを引き起こすこともあるほど、強力なテクニックです。
・「オイルショックのせいでトイレットペーパーが買えなくなる」
とテレビや新聞が報道すれば、たちまち市民は買いだめのために右往左往することになります。
選択しやすくすることで購入を後押しできる決定回避の法則
決定回避の法則は、顧客が選択しやすい状況を作って、決定しやすくすることです。
・「ミニバンは欲しいけど、どのグレードを選んだら良いか分からない」
という顧客がいれば、たくさんあるグレードの中から、家族構成や利用シーンを考えて、選択しやすい3つくらいに絞り込んであげる、顧客は意思決定がしやすくなります。
特定のものを選びやすいさせる松竹梅の法則
松竹梅の法則とは、3つのある選択肢の中から真ん中のものを選んでしまう心理を指します。
・松:「100万円のアルティメイト・コンサルティング」
・竹:「50万円のフルコンサルティング」
・梅:「25万円のベーシックコンサルティング」
の3つの商品を用意してあげれば、全員ではないですが7割くらいの人は竹の商品を選びます。
人は、他も人から「これにしないさい」「これが絶対オススメです」のように1つのものを押し付けのように進められることを嫌います。
これは自分の行動や選択は、自分で決めたいという欲求があるためです。
ですから、商品は選択しやすいように2〜3個種類に用意するようにしましょう。
アップセルを演出するテンションリダクション効果
テンションリダクション効果は、ある程度の金額の商品を購入した直後に、それまでの緊張から開放されて気が大きくなって状態を指します。
このような状況だと、多少値が張る商品でも躊躇せずに購入してしまいます。
例えば、500万円のミニバンの購入契約をした直後に、30万円のナビゲーションをオプションで勧められても躊躇せず買ってしまうようなケースがあります。
まとめ
最後まで読んでいただければ、「なるほどー」「そういうことがあったなあ」というものが複数あったのではないでしょうか。
知らず知らずのうちに、我々の生活の中には、購入意欲を掻き立てる仕掛けが溢れています。
ぜひ自分のビジネスの成約率を上げるために、紹介した心理テクニックを上手く使うようにしてください!